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中央アナトリアの考古学的一般調査
調査概要
1986年以来、カマン・カレホユックの発掘に平行して、中央アナトリアにおける考古学的一般調査(遺跡踏査)を継続しています。この調査では、未報告の遺跡を地図上に明示し、それぞれの遺跡の特徴をその形態、表採遺物から把握するとともに、カマン・カレホユックで出土している文化が、どの様な広がりをもって存在したかを確認することが大きな目的です。これまでにクルシェヒル、クルックカレ、アンカラ、ヨズガット、ネヴシェヒル、アクサライ、ニーデ、カイセリ、コンヤの各県で、総計1500の遺丘、平地遺跡を踏査しました。
2007年度は、クルックカレ県ケスキン郡を中心に調査を継続しました。これまでの調査報告は、Anatolian Archaeological Studies 各号に掲載。
クルシェヒル県の考古学的一般調査(2011年)終了
11月10日に開始したクルシェヒル県の考古学的一般調査は、11月21日に終了しました。今回の調査では、1986年、2000年に踏査した遺跡の再調査も行いました。2000年以降、トルコでは経済成長とともに開発による遺跡破壊が見られるようになったこともあり、これまで調査した遺跡の現況を把握することも目的の一つとしました。それと同時に今回の踏査では、カマン・カレホユック遺跡で確認している前期青銅器時代、銅石器時代、新石器時代の遺物の採集とその文化圏の確認に重点を置きました。今シーズンに調査を行った遺跡の状態は、幾つか盗掘坑の見られる遺跡もあることはありましたが、全体的には予想以上に状態は良好でした。少なくとも開発によって破壊を受けている遺跡はありませんでした。
今回の調査期間中には24遺跡を踏査することが出来ました。遺跡として、主としてホユック、フユック、テペ等の丘状のもの、ドゥズ・イェルレシム・イェリと呼ばれる平らな遺跡、更にトゥミュルス-墳墓の三形態がありました。第一番目の丘状のものは、12、第二番目のドゥズ・イェルレシム・イェリのものは6、トゥミュルスは4基、城塞1、碑文1を数えました。丘状の遺跡では、満遍なく銅石器時代から鉄器時代までの土器片を採集できましたが、ドゥズ・イェルレシム・イェリでは、銅石器時代、ローマ、ビザンツ等が中心でした。どちらかと言うと一つの文化の土器片を数多く採集したかたちです。つまり、ドゥズ・イェルレシム・イェリは丘状の遺跡のように長期間集落地として利用されなかったことを意味しているのかもしれません。トゥミュルスは全部で4基確認しましたが、何れも頂上部に大きな盗掘坑がありました。また、城塞、つまりカレと呼ばれる遺跡には大形の石で築かれた壁を確認することが出来ました。周辺で採集した土器片から、カレはローマ、ビザンツ時代のものと思われます。碑文はヒッタイト帝国時代のヒエログリフが刻まれた大岩で、碑文の一部は破壊されていました。
今回調査を行った遺跡の中で、先史時代の前期青銅器時代、銅石器時代の土器片は、カマン・カレホユックの北東数百メートルに位置するハジュ・エブラスィニン・タルラス、北東1キロにあるダルオズ、ダルオズ2、カーヌジャックなどで数多く採集することが出来ました。特に、これらの遺跡では銅石器時代の土器片を確認したと同時に、前期青銅器時代の土器片も採集することが出来ました。銅石器時代の刻文土器片は、クズルウルマックの南側に位置する遺跡でも採集されており、かなり広範囲に渡ってこの刻文土器の文化圏が広がっていることを今回の調査で明らかにすることが出来ました。ただ、この刻文土器が前期銅石器時代に年代付けられるのか、あるいは後期銅石器時代に年代付けられるかについてはもう少し時間が必要です。
前期青銅器時代の土器片は、既述したように丘状の遺跡で数多く確認しています。前期青銅器時代に関しましては中央アナトリアでも幾つかの遺跡で調査は行なわれておりますが、何れも明確な層序が確立されていないのが一つの大きな問題点と言えます。この時代こそある意味では『暗黒時代』と言えるのかもしれません。
来シーズンも発掘調査後に遺跡踏査を行う予定です。尚、今回の調査に関しましては第197回アナトリア学勉強会で報告を行う予定です。
クルシェヒル県で考古学的一般調査(2011年)を行っています
11月初旬にヤッスホユック発掘調査が終了した後、気球にカメラを搭載してカマン・カレホユックとヤッスホユックを撮影しました。11月6日から8日まではイスラームの犠牲祭でしたので、研究所もこの三日間は休みでした。その後2007年まで毎年行っていた考古学的一般調査を今シーズンから再開、11月10日からクルシェヒル県カマン郡、中央郡、アクプナル郡で盛んに行っているところです。今回の調査では、カマン・カレホユック遺跡で出土し始めている前期青銅器時代、銅石器時代、そして新石器時代の遺跡の確認を行っています。査察官として11月8日にアダナ考古学博物館学芸員オヤ・アスランさん(女性)がキャンプ入り、我々の調査に同行してくれています。中央アナトリアは既に初冬に入ったこともあり、早朝の気温もマイナス4〜5度とかなり厳しいものがあります。これまでのところ21の遺跡を踏査しました。





