ビュクリュカレ

松村 公仁 アナトリア考古学研究所研究員

第10次ビュクリュカレ遺跡発掘調査(2018年)を開始しました

今年は、春になって突然トルコ文化省から「各遺跡の発掘隊長と面談を行った後に発掘許可が発給される」と通達が来ました。面談の最中には、発掘調査に参加するトルコ人隊員と外国人隊員の割合構成に関する要求が突然出され、発掘調査を始める前から混乱をきたしました。それでも例年より1ヶ月以上遅れたものの、5月末から発掘調査を開始することが出来ました。

ビュクリュカレ遺跡

ビュクリュカレ遺跡

今年度の調査では昨年から引き続き、二つの火災層を調査することを目的としています。一つは粘土板の出土しているヒッタイト帝国期前半の焼土層を、もう一つはカールム時代に築造され、ヒッタイト古王国時代に焼失した宮殿遺構の西側部分を調査する予定です。両者ともにすでに焼土層が顔を出しており、その層の中から何が出てくるのか期待が膨らみます。