フィールドコース

フィールドコースは、考古学及び関連分野に興味を持つ学生、若手研究者を対象に、カマン・カレホユック発掘調査を基盤に、出土した遺物等を使って、研究の基礎知識、方法を指導する入門コース、さらにより研究を深めるためのアドバンスコース等、時々に応じて専門家によってアレンジされます。今までに、保存修復、植物考古学、動物考古学、形質人類学、古環境学、考古学等の分野で行なわれてきました。

■考古学フィールドコース 2009■

第1回目

アナトリア考古学研究所主催の第1回目の考古学フィールドコース2009は、7月20日(月)に開始、8月1日(土)までの二週間、研究所とカマン・カレホユック遺跡で行われました。フィールドコースでは、アナトリア考古学入門、層序、アナトリアの印章、印影、鉄器時代の土器、遺物の取り上げ方、遺跡、遺物撮影等の講義が行なわれるとともに、参加者は連日カマン・カレホユック遺跡で実際に発掘も行ないました。また、7月25日(土)には、ヒッタイト帝国の都市オルタキョイ(古代名シャピヌワ)とチョルム考古学博物館を見学しました。

考古学フィールドコース 考古学フィールドコース 考古学フィールドコース 考古学フィールドコース
クリックで拡大写真を表示します.

第2回目

アナトリア考古学研究所主催の第2回目の考古学フィールドコース2009は、8月3日(月)から8月15日(土)までの二週間、研究所とカマン・カレホユック遺跡で行なわれました。フィールドコースでは、第2回目と同様アナトリア考古学入門を始め研究所での講義と平行して遺跡で実際に発掘調査を行いました。毎日行なわれる夕方6時のミーティングでは、フィールドコース参加者はその日の調査結果を発表し活発な討論を行ないました。また、8月8日(土)には、無土器新石器時代のボンジュクルホユック、そして新石器時代のチャタルフユック遺跡を見学しました。チャタルフユックでは、隊長のI.ホダー教授が直接案内して下さいました。

考古学フィールドコース 考古学フィールドコース 考古学フィールドコース 考古学フィールドコース
クリックで拡大写真を表示します.

第3回目

第3回目の考古学フィールドコース2009は、8月17日(月)に開始、8月29日(土)に終了しました。第3回目のフィールドコースも、第1回目、第2回目と同様、初日には研究所、収蔵庫、カマン・カレホユック考古学博物館、遺跡見学、アナトリア考古学入門の授業等を受講、翌日からは遺跡で実際に発掘調査に参加しました。フィールドコース期間中には、発掘調査後に層序、鉄器時代の土器、印章等専門的な授業が行われました。また、同時に今シーズン出土した遺物が与えられその研究も行ないました。8月22日(土)には、ヒッタイト帝国の都ボアズキョイ、帝国時代の都市アラジャホユックを見学しました。

考古学フィールドコース 考古学フィールドコース 考古学フィールドコース 考古学フィールドコース
クリックで拡大写真を表示します.

■植物考古学フィールドコース、動物考古学フィールドコース

植物考古学フィールドコースが2009年7月7日〜19日に開かれました。講師はアンドゥリュー=フェアベルン(クィーンズランド大学助教授/オーストラリア)が担当し、フローテーション・マシン(種子を採集する装置)を使いながらの授業が行われました。2007年と2008年、そして今年度カマン・カレホユックで確認されたピットや建築遺構からの覆土をフローテーション・マシンにかけて種子を採集、顕微鏡観察等が行われました。

動物考古学フィールドコースが2009年7月7日〜19日に開かれました。講師はレベント=アトゥジュ(ネヴァダ大学助教授/アメリカ)が担当し、カマン・カレホユックのほぼ中央部に位置する発掘区のIIIc層(前18世紀頃)にあたるアッシリア植民地時代の焼土層から出土した獣骨を用いながら授業が行われました。この焼土層からは、人骨が大量に出土しており、形質人類学のベロニカ=ハントの協力を得ながら、獣骨だけでなく人骨の授業も平行して行われました。

両フィールドコースでは週末にボアズキョイとゴルディオンの遺跡を見学しました。

植物考古学フィールドコース 植物考古学フィールドコース 動物考古学フィールドコース 動物考古学フィールドコース
クリックで拡大写真を表示します.